
テラフォーマーズ
おすすめポイント
生きる意志は──あるか。
火星を舞台にゴキブリと人間との戦いを描いたSFストーリー
様々な動物の能力を駆使して戦うアクションシーンが盛りだくさん
キャラクターの過去、思惑、交流、駆け引きを描いたヒューマンドラマ
感想とレビュー
●万物の霊長と害虫の王の戦い
火星を人間の住める環境にする「テラフォーム計画」。
人類は、苔と過酷な環境に耐えうる黒い生物…「ゴキブリ」の2種類を火星に大量に放ち、地表を黒く染め上げることで太陽光を吸収させ火星を暖めようとした。
時が過ぎ、緑色の星となった火星のゴキブリを駆除・清掃するため宇宙船を飛ばす。
ただのゴキブリ退治…そう思っていた乗組員だったが、待ち受けていたのは、火星の極限の環境によって人型へと変貌を遂げていたゴキブリ人間…「テラフォーマー」だった。
乗組員は全員、昆虫の特性・能力を得るための「バグズ手術」を受け、強化していたのだが、結果は生存者二名という惨憺たるものだった。
それから20年後、「バグズ手術」の進化系である「M.O.手術(モザイク オーガン オペレーション)」を受けた乗組員たちが「アネックス1号」に乗り、再び火星に赴き、テラフォーマーの捕獲・殲滅を試みる。
アニメでは、この原作で第二部とされている「アネックス計画」から始まる事になる。
●多種多様な生き物の能力を駆使したアクション
「M.O.手術」の登場により、動物の能力……それも適性によっては数種類の力を組み合わせる事が可能になった。当然虫も含めるので能力の幅はとにかく広い。
誰もが知っている有名な動物も出てくれば、名前も姿も知らないようなものまで出てくる。動物そのものは知っていたが、こんな能力があるとは知らなかった…といったものも。
それぞれの能力は作中でも説明されるのだが、それがアクションとして描かれた時の動きはアニメならではと言えるだろう。
アクション好きは勿論、生き物自体が好きな人にも楽しめる内容になっている。
●ハードでシビアなストーリー展開
アニメでよく見られる「有名な声優さんが声を当てているのだから、生き残るのだろう」という予測。この作品において、その予測はほとんど機能しない。
重要そうな人物も、女性キャラも、顔の良し悪しも関係ない。死亡フラグのようなものも特に無い。いきなり襲われ、あっさりと殺されたりするのだ。
だからこそ、ストーリー展開が読めない。毎回ハラハラとしながらの視聴できるのである。
●単なる人間vsゴキブリだけのストーリーでは無い。
「バグズ手術」「M.O.手術」の成功生存率は、共におおよそ30~40パーセントとかなりリスクの高いものになっている。
その為、手術を受け乗組員に選ばれる人間は訳ありである者がほとんどだ。
様々なキャラクターの過去や、極限状況下での仲間との交流、裏切り、その影で交差する各国の思惑も描かれる。
そしてストーリーが進むにつれ、ゴキブリがただ自然に超進化したわけでは無いという事もわかってくる。
SFアクションを主軸におき、ヒューマンドラマ、ミステリー要素もふんだんに盛り込まれているのだ。
こんな人にオススメ!
・SFものが好きな人!
・ハードな展開が好きな人!
・アクションものが見たい人!
・虫や動物が好きな人!
スタッフ
監督:浜崎博嗣
シリーズ構成・脚本:ヤスカワショウゴ
キャラクターデザイン:筱雅律(メイン)、木村智
総作画監督:高田晴仁、木村智、箕輪豊、筱雅律、横山愛
アニメーション制作:LIDENFILMS
キャスト
膝丸燈:細谷佳正
小町小吉:木内秀信
ミッシェル・K・デイヴス:伊藤静
マルコス・エリングラッド・ガルシア:石川界人
アレックス・カンドリ・スチュワート:KENN
シーラ・レヴィット:茅野愛衣
鬼塚慶次:小野大輔
三条加奈子:たかはし智秋
柳瀬川八重子:豊崎愛生
シルヴェスター・アシモフ:石塚運昇
アドルフ・ラインハルト:遊佐浩二
エヴァ・フロスト:佐倉綾音
その他:赤羽根建治、朴璐美、石田彰、杉田智和など