聖戦ケルベロス

感想とレビュー

●「邪竜封印の儀」失敗で両親を失ったヒイロ。邪竜を討つ復讐の物語

剣と魔法が支配する世界、クナアーン大陸。大地を焼き街を滅ぼす凶悪な邪竜・ダガンゾートの存在が人々を悩ませていた。一度邪竜が暴れれば天災の如く被害が拡大した。邪竜を封印すべくバイロとキスミテーテ、そして魔術師たちが封印の儀を行うも、それは失敗に終わり、邪竜に魂まで焼かれ滅ぼされてしまった。そのとき、バイロとキスミテーテの息子であるヒイロの胸に、赤い不吉な刻印が刻まれた。付き人であるギルーがヒイロを救い出し、一命をとりとめる。
ヒイロはギルーと共に生き、10年にも及ぶ修行の日々を過ごす。ヒイロはギルーが止める事も聞かず、復讐の旅に出ると言って家を出る。
ヒイロは両親の仇を討つ事ができるのだろうか。

●スライムにも勝てない！史上最弱主人公！！

主人公であるヒイロを演じるのはベテラン声優の松岡禎丞さん。数々の最強主人公を演じてきた松岡禎丞さんが再び主人公を演じるのだから、多くの人が、どんな新しい最強主人公かと思う事だろう。ヒイロは由緒正しい血筋であり、背に黒い大剣を背負いマントを纏う。口調は厨二が織り交ざり、正義感が強く、弱い者を放っておけない。
ここまでは完璧だが、なんとヒイロは剣の扱いが絶望的に下手。そして弱い。正直雑魚と言っていい。しかし自分が弱いという事が自覚できず、常に失敗から得るものが無い。スライム相手に修行をするが一匹も倒す事が出来ず、「相手が小さすぎるから悪い！早く邪竜ダガンゾートを倒しに行かせろ！」と言い出す始末。
両親の仇の邪竜を討つべく旅をするヒイロだが、一体どんな運命が待ち受けているのだろうか…。

●大陸に生活する個性的な亜人の仲間たち

クナアーン大陸には様々な種族が生きており、様々な亜人たちが個性的な世界を彩る。
ヒイロを救ったギルーは、オーガとの混血でその巨体を生かして剣をふるう。ギルーにできる事はヒイロに剣を教える事だけだが、ヒイロは壊滅的に剣の才能が無い。
付き人のパルパは竜人。ヒイロの父バイロの会計士だったが、バイロ亡き今はヒイロの付き人として帳簿を付けている。
情報屋エリンは猫のような耳と尻尾を持つ妖艶な姿の亜人。風貌は美しいが掴みどころがなく謎に満ちている。
ヒロインであるサラートの出自は謎だが、非人間的な繊細さを持つ。
それぞれが『人間』という枠ではくくれないような個性に満ち溢れている。

●原作はグリーの運営するソーシャルゲーム『聖戦ケルベロス』

本作の原作は基本無料で遊べるスマホゲームの『聖戦ケルベロス』。カードを駆使して戦うソーシャルストラテジーRPG。ハイクオリティで美しいカードが特徴で、多数の有名クリエーターが手掛けている。アニメとは三国で争う大陸の世界観、亜人などの種族を共有している。