
ハイキュー!!
おすすめポイント
偶然に出会ったふたつの才能が響きあい、進化する――遥かな頂の景色のために!
運動部経験者は必見の、ひたむきな青春群像劇
練習と努力、そして支えてくれる人たちと紡ぐ成長物語
安定した作画と滑らかな動画の中に突如現れる、豪快な強打シーン
感想とレビュー
●ひたむきで熱血、青春全開爽やかバレーボールアニメ
日本ではかなり親しみ深いメジャーなスポーツでありながら、実は数の少ないバレーボールアニメ。その中でも更に数の少ない男子バレーアニメの一つが本作『ハイキュー!!』だ。小柄な高校生の主人公・日向翔陽が『小さな巨人』を目指してコート内を縦横無尽に躍動する、高校部活ものの作品となっている。
バレーが大好きで仕方ないのにメンバーに恵まれなかった翔陽と、天賦の才能をもちながらも独善的なプレイでチームに拒絶されたセッター・影山飛雄。全く別の辛酸を舐めた2人が高校で出会い、劇的に進化していく成長過程をスピード感あふれるアニメーションで描いている。
必殺技の応酬というタイプではなく、ネタなしリアリティ重視の非常に真面目なスポーツアニメだが、日常シーンは「男子高校生ってこうだよね」というような馬鹿なやり取りも多く、メリハリの利いた作品。
●頂の景色を見るために――『小さな巨人』を目指して練習あるのみ!
本作の特徴として挙げておきたいのは、非常に練習シーンが多いことである。スポーツ作品はどうしても試合シーンが華であり、盛り上がりどころであるがゆえ、合宿を除き練習シーンは短く端折られることが多い。しかし、本作ではむしろ練習シーンにスポットを当てており、特に1期中盤までは翔陽ら烏野高校バレー部のOB・OG達との特訓の様子ががっつりと描かれる。
上手くなりたいのになかなか上達しないジレンマやもどかしさ、逆に何かがぴったりハマったことで、ある時突然できるようになるといった、実際のスポーツあるあるな描写も丁寧にされており、現実の部活動に近いリアリティを感じることができるだろう。
高校生の部活という素材を最大限に活かした展開が多く、バレーでなくとも運動部を経験した視聴者であれば、共感出来ることもきっと多いはずだ。
●真面目も馬鹿も、等身大の男子高校生
ハイキューを視聴していると、日常パートは非常にセリフが多いなと感じる。ハイテンポでとにかくよく喋る。誰かのモノローグの裏で、殆ど聞き取れない状態でも喋る。しかもそれらはかなりの頻度でくだらない内容だ。
前述したとおり、ハイキューは非常にうまく『男子高校生』を描写しているが、こういったくだらない会話や妙なテンションの高さで子供っぽいヤンチャな一面があったり、練習時や試合時にはストイックで真剣な表情があったりとオンオフが激しいのも、多感な大人への過渡期である男子高校生らしい。
スポーツものに限らず、妙に大人びた子供を見ると興醒めする方も少なくないと思うが、本作はその辺りの心配はせずに視聴できるのではないだろうか。
●初見ではちょっと驚く豪快な強打演出は必見!
近年ではスポーツものでも多く見られる様になってきたが、本作にもアクション作監が常駐しており、作画の安定性、動きの滑らかさはピカイチ。
バレーボールは動き続けるスポーツではないため、同じProduction I.Gでなら黒子のバスケのほうがスピード感に勝るが、そのぶんハイキューではスパイクやジャンプサーブなどの強打シーンにおいて、筆で書き散らしたかのような豪快な演出が存在する。
腕を振りかぶってからボールを打つまでのほんの1~2秒のカットではあるのだが、そんな短いカットでも演出としてしまう制作スタッフのイマジネーションを賞賛したい。
こんな人にオススメ!
・バレーボールが好きな方!
・学生時代、運動部に入っていた方!
・スポーツ作品はリアリティ派の方!
・練習や努力で成長していく物語が好きな方!
スタッフ
監督:満仲勧
シリーズ構成:岸本卓
キャラクターデザイン:岸田隆宏
アニメーション制作:Production I.G
キャスト
日向 翔陽:村瀬歩
影山 飛雄:石川界人
月島 蛍:内山昂輝
澤村 大地:日野聡
東峰 旭:細谷佳正
西谷 夕:岡本信彦
田中 龍之介:林勇
その他、浪川大輔、吉野裕行、入野自由、斉藤壮馬、内田真礼 など