TPP協定における知的財産条項案における交渉が進んでおり、特に著作権侵害の非親告罪化導入等についての状況を「大変憂慮している」とコミックマーケット準備会がコメントを発表しました。
準備会はこれまでもTPP協定交渉に含まれる著作権問題に関して、政府TPP対策本部のパブリックコメント募集における意見送付や、文化庁による文化審議会・文化政策部会のヒアリングをはじめ、さまざまな方面から慎重な対応への協力を呼びかけてきています。
また、「TPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム」が現在呼びかけを行っている「TPP著作権条項に関する緊急声明」(http://thinktppip.jp/?p=519)についても、賛同を表明しました。
TPP協定が現在の交渉のまま“同人誌文化”のないアメリカ型の著作権保護方式となり、著作権侵害が非親告罪化すると、日本独自に形成された“同人誌文化”もその土壌の一部となって築かれてきた“漫画・アニメ・ゲーム”など、海外への発信も含めた、政府が推進するいわゆる“クールジャパン”の文化そのものが衰退するきっかけになってしまうことが危惧されます
そのため、コミックマーケット準備会は今回、声明の発表に至ったものと見られます。
●TPP協定(環太平洋経済連携協定)とは?
日本を含む太平洋を囲む国々において、関税を撤廃するなどして、自由な経済圏を作るための取り組み。さまざまな分野が対象となっており、著作権などを含む知的財産についても協議が進められている。この中で、日本において、アメリカ型の著作権保護方式の導入が検討されており、著作権侵害が非親告罪となる見込みが強いとの報道がある。
●著作権侵害の非親告罪化
現在、日本国内の著作権侵害は親告罪であるため、著作権侵害があった場合、その権利者(漫画であれば漫画家や出版社、音楽であれば作詞者・作曲者、著作権管理団体など)しか公訴できない。これが非親告罪化すると、第三者でも公訴できるようになり、権利者の意思とは関係なく、二次創作物(同人誌やコスプレ、MAD動画など)などが警察によって摘発される可能性もある。
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