
中二病でも恋がしたい!
おすすめポイント
青春は”痛い”。 だけど、だからこそ、こんなにもきらめく。
枕に顔を埋めてじたばたしたくなるほどの中二病感
イロモノなんて言わせない、ピュアなラブストーリー
爆ぜろリアル!弾けろシナプス!日常ラブコメに発生する秀逸なバトルシーン!
感想とレビュー
●ド直球、邪眼系中二病ここにあり!!
タイトルにもあるとおり、本作品は重度の中二病患者による恋模様を描いたラブコメストーリーである。略称は『中二恋』など。
現役中二病なヒロイン・小鳥遊六花はもちろんのこと、登場するキャラクターがのきなみ残念かつ、脛に傷を持っているという徹底ぶり。中二病を患っていたり、卒業した経験のある人なら「やめろ思い出させるなやめろ!!」と言いたくなるようなシーンやセリフが目白押し。
そんな痛々しくも残念な高校生活の中に『恋』という一石が投じられ、一歩ずつ、新しい世界へと歩き出す六花の変化が本作の魅力といえるだろう。
●何故か「あるある……」と共感してしまう、『中二病』というワード
本作品のど真ん中に据えられた軸、『中二病』。
なお中二病の定義はさまざま意見があると思われるが、本作では「私は選ばれしもの」だとか「真の力が眠っている」というようなファンタジー脳をこじらせてしまっているタイプを指している。
あなたにもないだろうか、魔法陣を書いた紙を部屋に置いてみたり、今の自分は使命を待つ仮初の姿だと考えてみたり。――すごく痛い。だけど、そんなことを考えていた当時はその痛さが、かけがえのないきらめきを持っていたりもしたものだ。
そんな『振り返ると死ぬほど恥ずかしいけど、当時は大切にしていた気持ち』をまざまざと思い出させてくれる、そんな不思議な共感は中二恋ならではといえる。
●学園日常モノと見せかけて――!?迫力満点の異能バトル(仮)
中二恋がただの日常ラブコメの枠に収まらないのは、京都アニメーションの熱意と技術を結集したかのようなバトルシーンの存在が大きい。
バトル……とはいえ登場人物は全て一般人。本来ならばありえないはずなのだが、重度の中二病患者たる登場時物達にはもう一つの異能空間が見えているのである。それが例え現実には、カサやおたまを振り回しているだけだとしても、彼女たちの世界では魔導レーザーや光弾が飛び交い、激しく火花の散る神器vs神器の攻防に他ならないのである……。
特殊すぎて言葉での説明には限界があるが、それら妄想異能バトルシーンでの作画ヌルヌル感、エフェクトのかっこよさは一見の価値ありだ。
●甘酸っぱくて、ちょっと切ない。きゅんとする恋心
ここまで中二病の部分にスポットを当ててきたが、本作の本旨は『恋がしたい』という、少年少女の非常にピュアな心模様。つまり甘酸っぱい青春ラブストーリーである。
中二病という殻の中から覗く六花の恋心。戸惑い、悩み、迷いながらも恋という感情に向き合う彼女の姿は、中二病のインパクトに負けないほどの可愛さを見せてくれます。
こんな人にオススメ!
・現在中二病、または昔中二病だった方!
・日常系ラブコメが好きな方!
・迫力のバトルシーンが好きな方!
・京アニ謹製の可愛い女の子が好きな方!
スタッフ
監督:石原立也
シリーズ構成・脚本:花田十輝
キャラクターデザイン・総作画監督:池田和美
アニメーション制作:京都アニメーション
キャスト
富樫 勇太:福山潤
小鳥遊 六花:内田真礼
丹生谷 森夏:赤﨑千夏
五月七日 くみん:浅倉杏美
凸守 早苗:上坂すみれ
その他、保志総一朗、井上喜久子、仙台エリ など