
たまこマーケット/たまこラブストーリー
おすすめポイント
あの娘はかわいいもち屋の娘。
観た後なんだか幸せな気持ちになれる、そんなアニメ。
商店街や学校、日常の暖かさを描いたゆるくてキュンとする青春物語。
普通ならありえない「しゃべる鳥」がかなりいい仕事してる!
感想とレビュー
●もち屋の娘
主人公はうさぎ山商店街にある餅屋「たまや」の娘・北白川たまこ。お餅が大好きな高校一年生だ。
「たまや」のことが大好きであり、小さい頃から「たまや」の手伝いをしているため、餅を作る手さばきは名人級であり、よく自作の餅をデラや友達にふるまったりしている。
うさぎ山商店街のことが大好きであり、バレンタインなのに活気がなかったり夏枯れで客足が遠のいたときは率先して盛り上げる。
商店街のことを大好きで、みんなのために一生懸命なたまこだからこそ、周りの人間もたまこのために尽力してくれるのだろう。商店街の人々の人情あふれる姿とドラマがこの作品の魅力となっている。
基本的に明るく人懐っこいのんびりとした性格のたまこだが、デラに対しては、たびたび腹黒い一面を見せている。また、企画で自分の意見が通らなかったときに父親の豆大に向って「ハゲ」と口悪い発言をするなど女子高生らしいところもある。だがしかし、恋愛においてかなり鈍感で周りからあきれられることもしばしば。
もち蔵と糸電話で会話をしているシーンにとても微笑ましく思ったと同時にヤキモキした視聴者もいたのではないだろうか。
●しゃべる鳥・デラ・モチマッヅィ
ある日たまこは言葉を話す謎の鳥と出会う。そしてその鳥は自らを「デラ・モチマッヅィ」と名乗り北白川家に住み着く事に。
デラの主人はとある南の国を治めるモチマッヅィ王家の王子メチャ・モチマッヅィ。彼の后を探すために旅をしていたが、花屋の花に紛れていたところをたまこに見つかり、くしゃみをされた。これが彼曰く求婚となるらしい。そんな経緯でたまこの家に居候しているデラだが電柱の上から落下しそうになったときに史織によって助けられ、そのまま史織に惚れておりアプローチを繰り返している。女風呂を覗いたりと、結構スケベ。
だが、人の心情には敏感で核心を突く発言も多い。実りのないアプローチと共に前向きな言葉で史織の背中を押して、たまこたちとの仲を取り持つ一面も。高慢な口調こそ若干ウザいが、その実は紳士で大事な場面では身を慎む空気の読める鳥だ。
日常の中にある、所謂トリッキーな存在でデラの存在は作品の場面転換等に大いに役立っている。
●京都・出町枡形商店街に行こう!
うさぎ山商店街は、京都にある出町柳枡形商店街がモチーフ。アニメと同様にアーケードで覆われた小さな地元密着型商店街だ。
商店街西側の入り口付近、アニメにも登場する魚屋「さしみ」のモデルとなった「さが喜」前には「たまこまーけっと」の交流ノートが置かれている。当然、全国からのファン達が記念に書き込んでいった思い出が沢山綴られており、イラストもクオリティの高いものばかり描かれている。
しかも、書いてある文字は日本語だけではない。ハングルや中国語も多数入り混じっており、小さな商店街に各国から人が訪れているということだ。
作中にある「たまや」やサバのオブジェ等うさぎ山商店街と同じ景色を探して連日カメラを携えた人が訪れている。
●劇場版たまこまーけっと・たまこラブストーリー
2014年4月26日に公開された。アニメではなんでもない日常を描いていたたまこまーけっとだが、劇場版ではタイトルの通りたまこの恋愛模様が描かれている。
アニメでは心を大きく揺さぶられるような演出はなかったが、映画ではガツン!と揺さぶってくる。アニメであったファンタジー要素を除き、純度の高い青春恋愛ドラマに仕上げてきた。アニメでは踏み込まなかったキャラたちの心の機微を今回は正面切って描写。1人の少女の成長の瞬間を鮮やかに切り取り表現している。
こんな人にオススメ!
・日常系アニメが好きな人
・恋愛ものが好きな人(劇場版)
・聖地巡礼に興味がある人
スタッフ
監督:山田尚子
シリーズ構成:吉田玲子
キャラクターデザイン:堀口悠紀子
アニメーション制作:京都アニメーション
キャスト
北白川たまこ:洲崎綾
常盤みどり:金子有希
牧野かんな:長妻樹里
デラ・モチマッヅィ;山崎たくみ
北白川あんこ:日高里菜
大路もち蔵:田丸篤志
北白川豆大:藤原啓治
北白川福:西村知道
大路吾平:立木文彦
大路道子:雪野五月
その他:下野紘、山岡ゆり、辻谷耕史、小野大輔、津久井教生、日笠陽子など