だがしかし

感想とレビュー

●駄菓子屋を継ぐように言われてるけど断固拒否して漫画家になりたい、でも駄菓子への無自覚な愛は人一倍！そんな主人公

駄菓子マニアは駄菓子マニアを呼ぶのか…？実家の駄菓子屋を継ぐ事を嫌がる主人公ココノツに対し、どんな手を使っても家を継がせようとする駄菓子マニアのほたる。ほたるの披露する駄菓子知識は非常に深く、駄菓子愛に充ちている。ココノツは駄菓子マニアだが全く自覚がない。ほたるの努力によって、ココノツは駄菓子への愛を自覚し、駄菓子屋の後を継ぐのかそれとも…

●毎週見れば駄菓子雑学を極められる？

この作品に登場する駄菓子は製造・発売元メーカーからの許可を得ており、基本的に実名で作中に登場する。そのリアリティのせいでより一層「あーこのお菓子、子供の頃食べた！」「なんかまたひさしぶりに食べたくなってきたなあ」と色んな感情が湧き上がる。Twitterなどで感想を拝見していると、だがしかしに登場した駄菓子を本当に買ってきた、と言って写真をアップしている方が驚くほど多い。その影響力に度々驚かされる。

●駄菓子以外の見どころといえば、魅力的で生き生きとしたキャラクター

もはや駄菓子以上、と言えなくもないのが登場人物の魅力。特筆すべきなのは、主人公(ココノツ)の幼馴染・遠藤サヤの恋心だろう。サヤはココノツに幼い頃から淡い恋心を抱いており、成長した今も変わらない気持ちでいる。しかしながら鈍感極まるココノツは、サヤの涙ぐましいまでのアピールに気付くどころか、ほたるの巨乳に見惚れる事しばし…。いじらしいサヤの言動を見ているとどうしても応援したくなってしまうが、残念ながら現状ココノツの気持ちはほたるのおっぱいにしか向いておらず、その無自覚ぶりたるや彼の駄菓子への愛情に通ずるものがある。また、そっとサヤの恋を応援する双子の兄(豆)の存在も忘れてはならない。この恋の行方は一体どうなってしまうのか。

●哀愁さえも漂うような、昔懐かしい雰囲気

そもそも駄菓子屋自体を最近見る事が少なくなった。学校帰りによく寄っていた駄菓子屋もとっくに潰れてなくなってしまった、なんて人も多いのでは。駄菓子屋があり、駄菓子があり、近くに友達がいて、集まって遊んで、そんな当たり前だった日常を思い出させてくれる。駄菓子屋はなくなってしまっても、DVDレンタルショップの隅っこや、スーパーのお菓子コーナー、コンビニ、今も至るところに駄菓子は根付いている。それを見かけたとき、つい懐かしい記憶を思い出して、手に取ってしまいたくなるだろう。