少年メイド

感想とレビュー

●母を亡くした小学生、千尋。住む場所さえ失い──

物語は、少年が母を亡くすところから始まる。家族や血縁者の全くいない小宮千尋（こみやちひろ）は、住む場所さえなくしてしまい路頭に迷ってしまう。
そんな時、叔父と名乗る男が千尋の前に現れる。叔父の名は鷹取円（たかとりまどか）。豪邸に住む衣装デザイナーだった。千尋は、叔父という血縁者がいた事に驚くと同時に、母が死ぬまで顔を出さなかった円を素直に受け入れる事ができない。円は千尋の家事の才能を買って、住む場所と学費を出すかわりにメイドとして働くよう依頼する。こうして鷹取家のメイドとして働く事になった千尋が繰り広げる、ほのぼの日常アニメ。

●メイドだけど強気な男の子！

主人公の千尋は少し強気だけど普通の小学性の男の子。片親の家庭で育ち、幼い頃から大変な母を手伝って家事や掃除を続けていたため、そのテクニックは一流と言っていい。性格的にも家を綺麗にしなければ気が済まず、汚れた部屋の存在を許せない。
反発して飛び出した円の家の部屋の散らかり具合が許せず、怒りのままに掃除をした事がきっかけで才能を買われ、鷹取家の雇われメイドとなる事に。

●衣装デザイナーの叔父。千尋のメイド服は手作り

豪邸に住む円は衣装デザイナー。豪邸に住み秘書を雇い入れ、アイドルグループの衣装デザインを担当するなど、なかりの売れっ子デザイナーである事が窺える。秘書である圭一郎も円本人も家事がてんでダメで、豪邸は散らかり放題の埃がたまり放題だった。丁度良く掃除洗濯炊事が得意な千尋が住み込みメイドになってくれた事は、本人たちにとって非常に有難い事だろう。
円は仕事の合間に趣味的な衣装作りをこなしており、千尋の可愛らしいメイド衣装も円が作ったもの。千尋は最初はメイド服を着る事に抵抗を示したが、徐々に慣れていく。

●新たな形の感動系ほのぼの日常アニメ

母の死という重いテーマから始まる本作だが、亡くなった母が明るく、遺書に顔文字を書くような軽いタイプのためか、作品のノリ自体は重いテーマを感じさせる事のないコミカルな雰囲気となっており、ほのぼの系日常アニメの分類。衣・食・住の大切さをしみじみと感じ、時に感動させてくれるアニメ。

●原作はエンターブレインから発刊されている漫画『少年メイド』

原作は乙橘さんによる漫画『少年メイド』。エンターブレインから発刊されている。
また、角川つばさ文庫より、小説版『少年メイドスーパー小学生・千尋におまかせ！』も発刊されている。藤咲あゆなさん著、イラストは漫画のほうでもお馴染の乙橘さんが手掛けている。