ルパン三世

感想とレビュー

●まさに大人から子供まで楽しめる国民的盗賊アニメ

モンキーパンチ氏の原作『ルパン三世』を元にしたテレビアニメ。
原作は『漫画アトラクション』で連載され、全94話で完結する。
アニメ以外にも映画、OVA、ゲームなど、幅広く各メディアに展開されている人気作品である。

●盗賊が主人公でありながら愛嬌たっぷりで明るい雰囲気が魅力

大泥棒『アルセーヌ・ルパン』の孫、『ルパン三世』がこの物語の主人公。
盗賊でありながらおっちょこちょいのお調子者で女に弱い。
しかしながら高い技術と知能を持ち、狙った獲物は必ず奪う。
人情に厚く、盗賊でありながら弱き者を助けようとする正義感の持ち主。

●『ルパン三世』を語る上で欠かせない名脇役たち

主人公の明るい魅力もさる事ながら、やはりルパンの大きな見どころといえば名脇役だろう。
義理堅くクールな早撃ちの拳銃使い、次元大介。
彼はルパンの幼馴染でもある。
仕込み刀の斬鉄剣を使いこなす剣士、石川五右エ門。
実直冷静だが、女に弱く案外短気。また、斬鉄剣で唯一切る事が出来ないこんにゃくが嫌い。
紅一点の女盗賊、峰不二子。
基本単独で行動し、常に何をしているのかルパンでさえ把握できていない。
己の欲望に忠実で、時に敵として登場する。
ICPO勤務の敏腕警察官、銭形警部。
ルパンとはライバル的存在で、ルパンを捕らえるのは自分であると豪語する。
お互い手ごわい敵と認識しながらも信頼しあい、時にルパンと協力して困難を打開する。

●年一回放送されてきたテレビスペシャルは常にお茶の間を沸かせてきた

2016年1月8日に放送されたテレビスペシャル『ルパン三世イタリアン・ゲーム』は記憶に新しいが、この作品は二年ぶりとなるルパン三世のテレビスペシャルだった。
テレビスペシャルは今年で25作品目となる。
1987年より一年ごとにテレビスペシャルが放送され、お正月の時期にはルパンを見るのが定番となっていた方も多いのではないだろうか。
話題となった作品に、1995年放送『ルパン三世くたばれ！ノストラダムス』、2009年放送『ルパン三世VS名探偵コナン』などがある。

●原作はジョークが少なめでアニメの雰囲気とは一線を画する

ルパン三世は、原作とアニメでかなり趣が違うのをご存知だろうか。
原作『ルパン三世』ではアニメと違ってジョークが少なく、ハードボイルドで性的な描写も多く見られ、現在でいうところの青年誌的な仕上がりとなっている。
逆に、アニメのほうでは全年齢対象で、明るいノリと雰囲気。家族で見ても問題のない作品に仕上がっている。
アニメのルパンの軽妙な雰囲気は、映画『ルパン三世カリオストロの城』が基準となっており、それ以前のアニメシリーズは原作に忠実なハードボイルドな作風だった。当時は視聴率が低迷していたため、低い年齢層にも見やすい作風へと変更されたのが今のテレビシリーズである。