ニセコイ

感想とレビュー

●ニセモノの恋とホンモノの恋

主人公の一条楽はヤクザの元締め・集英組の一人息子である。10年前に仲良くなった女の子と「再会したら結婚する」と誓い、女の子は鍵を楽は錠を持ち、再会の時にそれを開けようと約束を交わす。
錠が開かないまま時が過ぎ、高校生になった楽は、ギャング「ビーハイブ」と集英組の仲を取り持つ為、桐崎千棘と偽の恋人同士になることを余儀なくされる。
楽は小野寺小咲に片想いをしているのだが、千棘との付き合いの中で「もしかしたら、彼女が『約束の女の子』なのでは?」と感じるようになる。
しかし、鍵は一本だけではなく、また約束も一つはないようで……。
ニセモノの恋をしながら、ホンモノの恋を探す……そんなストーリーになっているのだ。

●個性溢れる4人のメインヒロイン

桐崎千棘（CV：東山奈央）はいわゆる典型的なツンデレタイプ。アメリカから転入してきた金髪碧眼の美少女だが、ギャング「ビーハイブ」のボスの一人娘である。
怒りっぽくすぐ手が出るが、努力家で人当たりが良く、誰とでも仲良くなれる優しい性格の持ち主だ。
小野寺小咲（CV：花澤香菜）はおっとりタイプで、少し内向的な面もあるが優しくて気遣いの出来る性格の持ち主だ。
楽に想いを寄せているが、奥手であったりタイミングが悪かったりと、中々気持ちが伝わらないでいる。
鶫誠士郎（CV：小松未可子）は男装女子だ。千棘のボディーガードで高い身体能力を誇る。しかし、ふとした瞬間に女らしさが見えたり、実は隠れ巨乳であったりとギャップの宝庫なのだ。
橘万里花（CV：阿澄佳奈）はお嬢様タイプである。楽の許嫁を名乗っており、一番積極的にアプローチをかけている。しかし、楽の方から寄られると赤面して固まってしまったりと初心な一面も見せる。

4人の他にも、同級生の宮本るりや担任のキョーコ先生、二期では小咲の妹の春やビーハイブのヒットマンであるポーラなど、可愛い女子キャラが多数登場する。

●最後の最後まで気合の入った演出

エンディングは、作中に登場するヒロインのキャラクターソングになっており、それぞれの歌に合わせたアニメーションが作られている。
また、桐崎千棘、小野寺小咲、鶫誠士郎、橘万里花の4人で歌っている曲もあり、EDだけで5パターンも流れるのだ。
更に毎回エンドカードが公開されるので、最後の最後まで本当に目が離せない仕様になっている。

●新房監督によるおなじみの演出

他のコミカルな新房作品と同様、ニセコイでも本編途中で時間がある程度進む時は1枚絵のアイキャッチなどが入る。
本編の流れに沿った絵であったり、幕間の一場面のようなものであったりと、見逃せない演出である。
また、いわゆるシャフ度と呼ばれる、顎を上げたポーズも度々見られる。新房作品のお約束とも言うべきカットを堪能したい。