
メカクシティアクターズ
おすすめポイント
目が語る。少年少女たちの夏の青春群像劇。
有名ボカロPが原作・脚本・楽曲まで手掛けた話題作!
個性的なキャラクターたちが織り成す深いストーリー。
分かりやすくて分かりづらい、何度でも見たくなる!
感想とレビュー
●人気ボカロ楽曲をアニメ化
作詞・作曲家、小説家、マルチクリエイターとして活躍するじん(自然の敵P)。
2011年よりニコニコ動画動画投稿を始め、歌詞のストーリーがリンクした楽曲軍「カゲロウプロジェクト」が関連動画再生数2500万再生を超える等、爆発的ヒットとなった。
楽曲で描かれている物語をじん自身の執筆により小説化、さらに佐藤まひろにより漫画化されている。
楽曲から入るもよし、小説から入るもよし、漫画から入るもよし。
もちろんアニメから入るもよし。
様々な視点から語られるため少し複雑な構造となっているが、曲から曲、曲から小説、小説からマンガ、小説から曲といったように、いろんな往復を重ねるうちに情報が整理されて謎が少しずつ明らかになっていく。
「カゲプロ」のさらなる進化を、ぜひ見届け、体験してほしい。
●終わらない世界=カゲロウデイズ
8月15日に2つの命が死亡することで、この「終わらない世界」に接触することができる。迷い込んだ2人のうち、8月15日を繰り返す中で選ばれた片方が現実世界に戻り、尚且つ目に関する特殊能力を身に着ける。選ばれなかったもう片方はそのままカゲロウデイズの中に閉じ込められてしまう。
メカクシ団の一員・マリーは主人公たちみんなが殺される世界を嫌い、カゲロウデイズを繰り返している。
●メカクシ団
団員はみな目に関する能力を持っている。
能力は全部で「目を隠す」「目を欺く」「目を盗む」「目を奪う」「目を凝らす」「目を覚ます」「目を醒ます」「目が冴える」「目をかける」「目を合体させる」の10種類。
元々は「ヒーローごっこ」の一環として初代団長・アヤノが設立した遊びの秘密組織だった。現在いる設立当時からの団員はキド・セト・カノの3人だけだが、数年越しでマリー、その後モモやエネやシンタローなど序々に団員が増えていく。
メカクシティアクターズは様々な特殊能力を持っているキャラたちが登場するが、いわゆる能力バトルものではなく、キャラたちはみな能力を使いたがらない、苦しんでいて、元に戻る方法を模索をしている。
●メディアコンバートではなくメディアミックス
楽曲、小説、漫画、アニメとすべての作品がじんの手によって書かれている今作品。
まず最初に、ニコニコ動画にアップしているじんの楽曲が中心軸になる。
しかしこの楽曲群はバッドエンドを迎えており、他のメディアでは事件が繰り返されていることがほのめかされている。つまり楽曲は原作ではなく、あくまでも物語の中のルートの一つとされている。
小説『カゲロウデイズ』は、楽曲をモチーフにしてはいるものの、全く違うルートの物語を書き始めている、これが「小説ルート」。小説のコミカライズかと思われていたところ、突如物語が書き換わって分岐した「マンガルート」。そして、アニメ『メカクシティアクターズ』。小説ともマンガとも全く違うルートをぐんぐん進んでいる。これが「アニメルート」。
アニメでも小説でもいい。「スタート地点がどこからでもいいアドベンチャー」のような作品になっているのがカゲプロの魅力だ。
こんな人にオススメ!
・ボカロ好きな人
・能力ものが好きな人
・アニメだけでなく小説や漫画なども楽しみたい人
スタッフ
監督:八瀬祐樹
原作・脚本:じん
キャラクターデザイン:阿部厳一朗
アニメーション制作:シャフト
キャスト
キド:甲斐田裕子
セト:保志総一郎
カノ:立花慎之助
マリー:花澤香菜
モモ:柏山菜々美
エネ:阿澄佳奈
シンタロー:寺島拓篤
ヒビヤ:富樫美鈴
コノハ:宮野真守
アヤノ:中原麻衣
その他:藤原啓治、小岩井ことり、岡村明美、兵藤まこ、新井里美、子安武人など