黒子のバスケ

感想とレビュー

●超高校級のスーパープレイヤーが火花を散らすバスケットアニメ
本作は、かつて『キセキの世代』と呼ばれた６人の高校生を主軸とした、スーパーバスケットストーリーである。
『スーパー』と形容したのは、いわゆるキャプ翼やテニプリなどと同じく、必殺技が飛び交うタイプのスポーツものであるからだ。ダンクやエアウォークといった現実のスーパープレイはもちろんのこと、漫画やアニメだからこその超絶プレイが大放出なため、非常に派手でスカッとする試合が楽しめる。
また、試合の面白さは大前提として、日常パートではコメディ展開も多く、物語の流れが非常にメリハリがきいており飽きずに視聴できるのもポイントだ。

●深く刻まれた過去との戦い。キセキの軌跡
本作のキーパーソンである『キセキの世代』。
中学時代に無敗を誇った、全員が天才というとんでもなく最強のメンバーが、全員別の高校へと進学したところから話は始まる。文字通りの『影』としてその天才達の活躍を下支えしてきた『幻のシックスマン』主人公・黒子テツヤが、新たな相棒・火神大我と出会い、かつての仲間たちとぶつかりあっていくのが本作の基本的な物語。
一般的には主人公の所属するチームメンバーが作品における核となるものだが、どちらかといえば他校のキセキメンバーが作品の中核として重要視されているのも、黒バスの面白いところだろう。
『光』となる相棒を得て過去を克服していくテツヤの心の成長やライバルとの戦いはもちろん、それぞれが孤高の天才といえるような『キセキ』のメンバー達がテツヤとの試合を通して絆や信頼といったチームプレイに目覚めていく様子も見所だ。

●息をつく暇もないヌルヌル作画のスピード感！衝撃の試合シーン
黒バスは前述のとおり必殺技ともいうべき超絶プレイの飛び交う試合がほとんどであるが、そういったアニメにありがちな『技のシーン以外の動きが悪い』という感覚がほとんどない。まるで本物のバスケットの試合のようなスピード感が楽しめるのが魅力だ。
バスケットはアニメには向かないと言われがちだが、アニメーションの滑らかさは圧巻の一言。重要な試合シーンのある回では作監８人、さらにアクション作監２人がつくなど、バトルアニメさながらの豪華な布陣で臨んでいる。Production I.Gの本気と言っても過言ではないであろう、スピード感満点かつ滑らか、迫力満点の試合シーンは、明らかにこれまでのスポーツアニメとは一線を画したクオリティに仕上がっており、作画重視の方でも満足できる作品となっている。
特に『キセキの世代』のエースである青峰大輝が絡む試合は必見の価値あり。是非まばたきをぐっとこらえて見て欲しい。