監獄学園

感想とレビュー

●真面目にエロい……が面白い

東京都郊外にあり、共学化したばかりの元女子高・私立八光学園。
1000名以上の女子生徒対し、男子生徒はたった5名のみ。
彼らは入学早々、女子風呂を覗くも失敗しまい、その罰として学園の規律を取り締まる裏生徒会の面々によって、学園での監獄生活を余儀なくされるのであった。

囚人となった5名の男子生徒は、キヨシ（CV：神谷浩史）、ガクト（CV：小西克幸）、シンゴ（CV：鈴村健一）、ジョー（CV：浪川大輔）、アンドレ（CV：興津和幸）と、豪華な声優陣で構成されており、その卓越した演技力により強烈なギャグに磨きがかかっている。

本筋としては、囚人サイドと看守サイドの攻防戦となるのだが、性的な描写が多い。しかしそれをギャグとして扱っているため、ただの男性向けアニメとも言い切れない。
虐待をご褒美と称して喜んだり、胸や尻などの女性の魅力について真面目に解説したり、ただただ副会長がエロかったり、他にもホモネタや尿など際どいネタを次々と出してくる。
しかも、妙に真面目に演出するのでそこがまたシュールであり、笑いを誘うのだ。

●看守役は裏生徒会のメンバー

会長の万理（CV：大原さやか）は、品行方正で理事長の娘、そして千代の姉でもある。「男」という存在に対し嫌悪感を抱いている。カラスを操る事ができ、それを利用して罠を仕掛けてくる事もある。黒ストッキングが艶めかしい。
副会長の芽衣子（CV：伊藤静）は非常に豊満な身体つきで、極度の汗っかきという設定が、特に嫌らしい事もしていないのにエロく見せている。当然、汗っかきな為、露出度も多い。
書記の花（CV：花澤香菜）は露出は低く、スカートの中にジャージを履いており、空手を駆使したガチの蹴りを繰り出してくる。しかしアクシデント体質とでも言うべきか、放尿のシーンを見られたり、仕返しに尿をかけようとして逆にかけられてしまったりと特殊な状態に陥る事が多い。
いずれも魅力ある女性キャラクターであり、エロだけでなく可愛らしい一面も見せてくれる。

●脱獄の為の綿密な計画

この作品はギャグとエロだけではなく、「脱走もの」という一面も持っている。
主人公のキヨシは同じクラスの千代と相撲観戦へ行くため、脱獄を決意するのだが、当然裏生徒会の監視は厳しく一筋縄ではいかない。
三国志のフィギュア欲しさにガクトが共犯となるが、やはり様々なトラブルに直面する。「脱走もの」特有のハラハラ感が見事に演出されている。
そして計画遂行のためには、群衆の中での脱糞をも厭わない。なりふり構わなさすぎて心配になるレベルだが、その突き抜けたアホらしさがこの作品の魅力であろう。

●OPとEDの疾走感と中毒性

OP、ED共に監獄男子たちが熱唱している。
本編のテンションをそのまま引き継ぎ、謎の疾走感とかっこいい音楽、そのままぶち込まれたかのような歌詞と無駄に高い歌唱力が見事に調和し、頭から離れない……そんな楽曲になっている。

●まさかの実写化

数々の際どい描写のため、およそ実写化は不可能だろうと思われてきたが、なんと2015年10月にテレビドラマ化を果たした。
キャストの再現度が高く、特に柄本時生の演じるガクトは恐ろしいほど瓜二つである。
また、一番の懸念事項であろう副会長は護あさなが演じており、そのプロポーションは原作ファンでも納得のいくキャスティングと言えるだろう。