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感想とレビュー

●水泳男子たちの織りなす青春と絆の物語

小学生のスイミングクラブに通っていた「七瀬遙（CV：島崎信長）」「橘真琴（CV：鈴木達央）」「松岡凛（CV：宮野真守）」「葉月渚（CV：代永翼）」
彼らは小学校卒業前の大会で共に泳ぎ優勝するのだが、それ以降それぞれ違う道へと進んでいく。
高校に入り、水泳から遠ざかっていた遙の前に凛が突然現れ勝負を挑む。
その勝負がきっかけとなり、真琴と渚、そして新たに竜ヶ崎怜（CV：平川大輔）を引き込み、岩鳶高校水泳部を設立する。
それぞれの想い、過去、意思が絡み合う。そんな夏を描いた作品である。

キャラクターもそれぞれ個性的で、キャラ単体としても楽しめるし、関係性を掘り下げて楽しむ事も出来る。
また、水泳が題材となっている為、他のスポーツ作品に対し露出部分が多くなるのだが、筋肉の描写が非常に丁寧である。
筋肉フェチのキャラクター、松岡江と一緒になり、筋肉を楽しむのも一つの見方かもしれない。

●一癖二癖ある女性キャラクター

この作品では、レギュラーとして登場する女性キャラはマネージャーである松岡江と、顧問の天方美帆の二人だけである。
しかし、数を補ってあまりある個性と魅力があるのだ。
顧問の天方美帆は遙と真琴の担任であり、古文の教師である。事あるごとに格言を絡めたアドバイスをしてくれるのだが、水泳部の顧問であるのに紫外線に敏感で、プールサイドでも必ず日傘をさしている。
マネージャーの松岡江は凛の妹である。可愛い容姿なのだが、極度の筋肉フェチである。鍛えられた筋肉には目が無く、部位や名称にも詳しい。更に料理にプロテインを使う、プロテインふりかけを常備するなど徹底的である。しかし、練習場所や相手を探してきたり、データ収集、スケジュール管理、合宿の設定など、マネージャーとして大変優秀なのだ。
だが、先に述べた天方先生もそうなのだが、江も肌の露出は大変少ない。
これは男性キャラの露出とバランスを取っているのかもしれない。しかしそのストイックさが、見ているうちに逆に癖になってくる。そしてキャラの考察も広がるのだ。
男性キャラが魅力的な作品ではあるが、女性キャラを追うのもまた楽しい内容になっている。

●最後のおまけ、エンドカード

この作品では、番組の最後にエンドカードが公開される。
季節感を感じさせるものであったり、作品では描かれなかった日常であったり、キャラクターの意外な一面であったり様々だ。
特に、眼鏡を掛けた真琴の姿が見られるのはほとんどエンドカードのみなので、最後の最後まで目が離せない。

●舞台モデルは鳥取県岩美郡岩美町

鳥取県岩美郡岩美町がロケ参考地となっており、スタッフは現地のNPO法人「とっとりフィルムコミッション」の案内を受けて取材を行ったとのこと。また、京都府京都市右京区に存在するスポーツ施設「京都アクアリーナ」と併せ、エンディングクレジットには同法人や同施設が「取材協力」として名を連ねている。その縁から、岩美町では本作に絡めた様々なキャンペーンやイベントが開催され、グッズ販売やスタンプラリーの実施などをしている。