
ベルセルク
おすすめポイント
眠れぬ夜が始まる。憎悪と妄執のダークファンタジー、再び!
過酷な世界に彩られた、憎悪の群像劇
全てが高水準でまとまるハイクオリティな映像作品
人間らしすぎるほどに人間らしい、己の感情に忠実なキャラクターたち
感想とレビュー
●巨大な体躯で大剣を自在に操る黒い剣士「ガッツ」、過酷な旅の先に彼が求めるものとは
「お前たちの親玉に告げろ。黒い剣士が来たと」
ガッツは増長する王国兵を打ち倒し、そう言った。
王国の上層部は、もはや『使徒』と呼ばれる怪物の巣食うところとなっていた。国民を、街を焼き払い、本性を現す使徒。ガッツは首筋に刻まれた『烙印』により魑魅魍魎に追われながらも、使徒を打ち倒すべく孤独に戦う。
ただ独り、圧倒的な使徒と戦わなければならない。穏やかに死ぬ事も許されない。孤独なガッツの旅は何故はじまったのか。
物語は今ではないとき、彼の少年時代……仲間たちと共にあり、若く輝いていた頃のガッツのストーリーが描かれる。
●元傭兵部隊「鷹の団」の団長であったグリフィスとの、妄執と呼べるほどの強い確執
ガッツとグリフィスは元は同じ傭兵部隊で、同じ釜の飯を食った仲だった。
グリフィスは部隊長として皆に信頼されていた。
様々な境遇の仲間を加えながら、彼らの傭兵部隊『鷹の団』は、時に戦友、ときに家族のように強い絆で結ばれていた。
しかし、今ガッツは独り。グリフィスも仲間もそばにはいない。
朝も夜もなく魑魅魍魎に追われ、命を狙われる日々。何故こうなってしまったのか…
●原作は、ダークファンタジーコミックの金字塔!
原作は三浦健太郎さんの描く『ベルセルク』で、ヤングアニマルにて不定期連載されている。
中世ヨーロッパをベースにした剣と魔法のダークファンタジーで、非常に画力・クオリティともに高い作品。
細部まで描き込まれた重厚な画、複雑に織り込まれたストーリー、壮大な世界観、総合的な高い完成度で、見るものを陰惨なベルセルクの世界へと引き込む。
●緻密に織り込まれた人間模様と物語
ベルセルクの魅力は数え上げればキリがないが、燃え滾るような感情、そしてその感情と確執に裏付けされ織り込まれた物語ではないだろうか。
栄光、家族、友情、勝利、仲間達……かけがえのない大切なものと、それらをもっているものたちにひそむ『喪失の恐怖』。
呪いのような憎悪と復讐の狭間で、ガッツは何を思い、どう生きていくのか。
●原作の画力の高さがアニメでも最大限に表現されている
原作に負けじと、アニメで作画も非常にハイクオリティなものになっている。
鬼気迫る戦闘アクション、ずっしりと重厚なダークファンタジーの背景。
音楽の完成度、ストーリーのテンポ、声優の演技力。全てが高水準にまとまっている。
●『ベルセルク』と小説『グイン・サーガ』の関係
また、三浦健太郎さんは故・栗本薫さんの小説「グイン・サーガ」の大ファンで、今作がグイン・サーガに強く影響を受けた事を公表している。
『グイン・サーガ オフィシャルナビゲーションブック』には、40ページにわたる両作家の対談が記されおり、非常に興味をそそる内容となっている。
栗本薫さんが亡くなった事で、二度と実現する事のない一度きりの対談となってしまった。
また、栗本薫さんはグイン・サーガの完結よりも先に亡くなってしまった。
三浦健太郎さんも体調が思わしくなく、「死ぬまでに頭の中を全て出せるのか」と、完結に対する危惧の念を語っている。
こんな人にオススメ!
・剣と魔法のダークファンタジーが好きな人!
・若干のグロシーンに耐性がある人!
・ダークな群像劇が好きな人!
・強い主人公が好きな人!
スタッフ
監督 – 高橋ナオヒト
総作画監督 - 松原徳弘、千羽由利子
メインキャラクター・デザイン – 馬越嘉彦
アニメーション制作:OLM
キャスト
ガッツ:神奈延年
グリフィス:森川智之
キャスカ:宮村優子
コルカス:西村朋紘
ピピン:天田益男
ジュドー:石田彰
リッケルト:矢島晶子
ガストン:川中子雅人