ファンタシースターオンライン2

感想とレビュー

●オンラインゲームと学園生活の双方を描く、誰でも感情移入しやすい構成

テーマはオンラインゲームであるが、学園生活のほうが主軸とも言える。それによって感情移入しやすいパートが多いのもポイント。ファンタシースターオンライン2のようなオンラインRPGは誰もが必ずやっているとは言いにくいが、学校・学園生活は誰にでも経験があるだろう。主人公たちは普通の学生で普通にテストを受けたり学園祭で悩んだりしているわけで、観る側がそういった日常生活に共感できる部分は多い。だからこそ、非日常なシーンを数多く描くオンラインゲームという題材を表現しながらも、誰が見ても感情移入しやすくできていると言えるのかも知れない。

●オンラインゲームの金字塔、ファンタシースターオンライン2の世界をアニメで気軽に楽しめる

ファンタシースターオンライン2の完成された世界観。それは知らない人にとっては洗練された完成度の高い世界として映るだろうし、逆に知っている人にとってはアニメで動いているのを見るだけでも嬉しく感じるだろう。武器や衣装デザイン、ゲーム内の登場人物、背景、全てが個性的でカッコイイ。オンラインゲームをやるにはある程度のPCスペックや携帯ゲーム機が必要でそもそも導入が難しい、オンラインゲームをやるほどの時間がない、そんな人も手軽にこのカッコイイ世界観に触れる事ができるのは嬉しい。もしかしたら、アニメを見たらゲームをどうしてもやりたくなってしまうかも。

●通常のアニメではあり得ない、リアルとオンライン二つの側面を持つ登場人物たち

同じキャラクターであっても、リアル側とオンライン側では別の姿をもつ登場人物たち。それはオンラインゲームを題材にした作品の魅力であり特徴でもある。双方の共通点や違いなどを見て思わずニヤリとしてしまう事も。オンラインの姿は自分で自由に設定する事ができるため、無意識の内に本人の理想や趣味が込められている事が多い。ファンタシースターオンライン2ではリアルの姿とゲーム内の姿を似せて作っている人物も多いが、実際のオンラインゲームプレイヤーにもそのようなタイプはある一定数存在する。オンラインゲームあるあるが至る所にちりばめられている。

●昔の家庭用のファンタシースターシリーズや、前作ファンタシースターオンラインをプレイした人にも伝わる「PSOらしさ」

元々ファンタシースターと言えば、SEGAのSFファンタジーを題材にした家庭用ゲーム機のRPGだ。今作品の原作ゲームである「ファンタシースターオンライン2」の方はわからなくても、家庭用ゲーム機のファンタシースターシリーズや、一作前のファンタシースターオンラインならばプレイした事がある、という方もいるのではないだろうか。そういう方にとっては、ああ、こういう雰囲気の世界観だったな、と懐かしく思い出すきっかけになるだろう。何故ならファンタシースターの世界観は独特な魅力を持ったSFファンタジーで、他には無い雰囲気を持っているからだ。これを最新のアニメーションで再現してくれているというのは夢のように嬉しい話である。