ハルチカ

感想とレビュー

●吹奏楽と謎解きと恋愛と
本作の特徴といえば、青春部活モノであり、謎解き推理モノであり、学生の恋愛モノという多様な要素を見事なバランスで混ぜ合わせた作品であるということだ。
高校入学を期に吹奏楽部に入部した主人公、穂村千夏(チカ)は、そこで幼馴染の上条春太(ハル)に9年ぶりに再会する。吹奏楽部顧問、草壁信二郎に好意を寄せる2人は、吹奏楽部の甲子園とも言うべき、普門館出場を目指し活動する中で、様々な謎に出会う。

●なんといっても可愛いヒロイン
ストーリーが進むにつれて、見れば見るほどに可愛い！と反響を呼んだヒロインのチカ。ルックスの可愛さはもちろんだが、憎めないキャラクターと率直で明るく、人間味溢れる性格が可愛さを際立たせている。ころころと変わる表情も見ていて飽きない。視聴者から好印象の声が多く上がったキャラクターの1人だ。

●回を重ねるごとに増える仲間と心温まる謎解き
一話完結型で進んでいくストーリーが特徴のアニメ。１話ごとに謎が１つ完結していく、その謎解きの中で新しい出会い、新しい仲間や友人が増えていく。ミステリー主体のストーリー展開だが、１話完結のため、ミステリーとしては比較的さらっと見ることができる。
謎解き後には、切なさを感じさせるものや、心温まるエピソードが待っており、シリアスに振り切ったミステリーが苦手な人にオススメしたい。本作は特別“壮大な世界観”という作品ではないものの、謎解きの先にある登場人物たちの深掘りによって、懐の深さを感じさせてくれる。1話視聴するたびに、気持ちのよい後味を残してくれる作品だ。

●実写映画化も決定！
人気小説『ハルチカ』をアニメ化した本作だが、その勢いはアニメ化だけにとどまらず、2017年に実写映画が公開されることが発表された。ハル役はSexy Zoneの佐藤勝利、チカ役は1000年に1人の美少女として一躍有名人となったハシカンこと橋本環奈だ。詳細はまだ発表されていないものの、各メディアで活躍する『ハルチカ』に今後も目が離せない。

●挿入歌、オープニング曲、エンディング曲にも注目
本作は楽曲のクオリティに関しても評価が高く、OP曲『虹を編めたら』は『有頂天家族』EDテーマや『ウィッチクラフトワークス』OPテーマを担当した人気グループ「fhána」の楽曲であり、さらにED曲は、『神様のメモ帳』OPテーマや『ガールズ&パンツァー』OPテーマ、『氷菓』OPテーマを担当した「ChouCho」の『空想トライアングル』を使用している。どちらの楽曲も青春モノらしく、爽やかさが前面に表されているが、作中の謎に関係する人々のエピソードや恋愛を想起させるような、どこか切ない雰囲気も同時に表現されている。まさに『ハルチカ』を象徴する楽曲といえるだろう。